引責自殺 切腹、自刎、服毒、絞首、・・・


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001 2012/06/14(木) 20:51:29 ID:xHUmWMMtxw
切腹というと、いかにも古めかしいけど、要は「引責自殺」だよ。

ただの自殺じゃなくて、権力者が自らの不行跡の責任を取るために行う、正式な自殺。

自分一人でベラベラと喋り立てるよりは、史実などの情報を持ち寄って欲しいスレだよ。

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002 2012/06/14(木) 21:04:36 ID:xHUmWMMtxw
「漢書」を読んでて個人的に気づいたんだけどね、
春秋戦国時代の事跡を主に記録した「春秋左氏伝」や「史記」には
ほとんど見られなかった引責自殺の記事が、多数見られる。

自殺の方法までは明らかではなかったりもするけど、
権力者が罪を犯したために、責任を取って自殺したという記事が、多くある。

秦代までは罪を犯しても逃れ放題だったのが、漢代に入ってからは、
中国人も政治責任を生死レベルで重んじ始めている。

日本の切腹文化なども、漢代などの中国の政治家の清廉さにこそ倣ったもの。
一方で、今の日本の政治家の腐敗加減もまた、春秋戦国時代の中国の政治家の卑劣さにこそ
倣ったもので、総体として、日本は中国の善い部分も悪い部分も倣ってしまったことになる。

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003 2012/06/14(木) 21:22:46 ID:xHUmWMMtxw
切腹は日本特有の文化だけど、引責自殺そのものは別に日本特有の文化なわけじゃない。

古き良き時代の中国、帝国としての徳化が行き渡っていた頃の中国あたりにこそまず花開き、
それが日本などにも輸入されて、その手段としての切腹が作法として醸成もされたわけ。

今の中国でも、死刑はそれはそれは盛んだけども、引責自殺となるとついぞ見られない。
罪を犯しても誰しもが逃げ回るものだから、威しもかねての死刑措置を乱発させてもいる。

西洋には、引責自殺という文化は存在しない。知ってのとおり、
それはキリスト教団が信者の自殺を禁じているからで、
引責自殺などがかえって罪になるという風潮すらもがあるから。
(キリスト教普及以前のギリシャなどでも、自殺者の腕を
切り離して別に埋葬するなどの措置は講じられていたらしい)

キリスト教圏の文化輸入をも通じて、引責自殺という風習が東洋においても絶やされた
ことにより、日本や中国の権力者も、それはそれは醜悪な腐敗にまみれることになった。

「切腹」という作法を復活させるんじゃなくて、引責自殺という処断方法一般が正式な
ものとして見直されていくことは、決して忌避されて然るべきことでもないと思うんだがねえ。

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004 2012/06/15(金) 13:24:34 ID:NPB29dr99c
「漢書」における権力者の引責手段(刑罰を除く)で
自殺並みに多いのが、「下野(罪を贖って庶民になる)」。

特に、文官の引責方法として自殺が多い一方、武官の引責方法として下野が多い。
文官は自らの知能による不手際だから、自殺によってでもなければ罪を贖えない一方、
武官は武備すら剥奪されれば無力も同然だから、死刑級の罪すら下野で贖えていた。

司馬遷の「史記」にも「罪を贖って庶民になる」という記事は多々見られる。
漢代以前、楚漢戦争の頃にすでにそのような贖罪が行われたという記録すらあるが、
漢代以降の記録もそれなりにありながら、「史記」には引責自殺の記事は少ない。
これは、司馬遷自身が武帝への讒言の罪で引責去勢に追い込まれた立場の持ち主であった
からかも知れない。引責自殺も他人事ではないから、詳記する気にもなれなかったと。

漢代に、極刑級の罪が下野によってすら贖われていたということは、それほどにも、
在野の庶民の責任は問われなかったということ。武装が禁じられ、服装も制限され、
商人に至っては乗車も禁じられるほどにも、民間人に対する風俗の制限が課されて
いたのと引き換えに、民間人の罪が問われることは極力控えられていた。だから、
漢室の歴代皇帝もまた、何かにこと欠けて恩赦を連発してもいたわけで。

極度の権力者に対する責任の重視と、民間人に対する責任の不問があったせいで、
漢王朝は慢性的な官吏不足にも悩まされていたようで、ことあるごとに民間から
人材を登用する布令も出していた。それが後々の科挙試験制にも発展したようだ。

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005 2012/06/16(土) 11:38:32 ID:EkGcnOLlnY
日本の切腹があれほどにも格式ばっていたのも、それが単なる自殺などではない、
確信的な引責自殺であることを明示するための手段でこそあった。

それにより、自らの仕事を引き継ぐ後任者に対しても、「自分もまた致命的な不手際を
犯そうものなら、引責自殺までもが避けようがないのだ」という覚悟を持たせていた。

ヒロイックなどころか、合理主義の極みのような意図がそこには込められていたわけで、
凄惨さに目も当ていられないからろくにその有効性を吟味しようともしないというのなら、
それこそは、己れの精神の薄弱さによって合理性や有効性を蔑ろにする所業だといえる。

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006 2012/06/16(土) 13:08:53 ID:A7WgN2A13A:au
民主政権によって報道規制がかけられている今の大手マスコミでも
完全無視を決め込むわけにはいかなくなるほどもの、ド派手な引責自殺。

もちろん、日本の武家社会の慣習である切腹ばかりに拘泥する必要もない。

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007 2012/06/16(土) 14:05:26 ID:EkGcnOLlnY
引責自殺と、ただの「追い詰められての自殺」も違う。

秦帝国の宰相の呂不韋が、自らの食客である嫪毒が偽宦官として
太后に取り入っていたことが発覚して、始皇帝の兵に追い詰められた挙句に
自殺した有り様などは、全く引責自殺の体を成していなかったといえる。

去年、地震テロの主犯としてMI6にインドで拘束されたD.ロックフェラーも、
拘束の寸前に自殺未遂に及んだらしいが、これもまた、仮に自殺を完遂
できていたところで、引責自殺としての意義は持ち得なかったといえる。

電通会長の成田豊も、「もう助からない」という情報を掴んだためか、
去年、肺炎に見せかけて自殺したようである。これもまた、表向き肺炎に
見せかけている以上は当然、引責自殺としての意味を持たないし、自殺としての
真相が明かされたところで、あまりにもその死に方が無様であったりしたなら、
追い詰められた感が否めないため、引責の覚悟に欠けていたと取られるのである。

引責自殺者は、追い詰められてではなく、自らの確信に根ざして自殺する。
誰に殺されるのでも、誰に怨みを残すのでもなく、完全に自分にのみ非があった
ことを承諾して、一切後腐れを残さない準備を整えた上で、自殺するのである。

切腹もその体裁上、斬首のように強制的に殺されるのとは違い、自らの意志で
死ぬことを明示できるからこそ、引責自殺の手段としても好まれたのである。
後任者に厳粛な覚悟を促して、なおかつどこにも後腐れを残さないことを
明示できる自殺方法こそは、引責自殺の手段としてもうってつけなのである。

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008 2012/06/17(日) 22:14:40 ID:bAuXOmbYGg
「熱血漢」「無頼漢」「巨漢」、悪い意味だと「暴漢」や「痴漢」など、
「漢」と書いて「おとこ」を意味する語法が日本語では多々見られるが、
実際、漢代の中国人こそは、春秋戦国時代や近現代の中国人よりも、遥かに男らしい。
それも、マッチョイズム的な皮相の男らしさではなく、もっと根本的な男らしさを湛えている。

その発露こそは、漢代における中国の王侯将相らの、率先的な引責自殺の多さである。

依然、匈奴を始めとする蛮夷との小競り合いは盛んであったものの、中原一帯の政局は
すでに完全にカタが付き、劉邦を太祖高皇帝(高祖)とする漢朝による支配が磐石化していた。
だからこそ漢帝国国内における為政者の責任逃れは叶わなくなり、致命的な落ち度を来たそう
ものなら責任を取って死ぬか、もしくは異界の蛮族の国へと逃亡するかしか手段がなくなった。

漢代以降の歴代中華帝国が「華夷秩序」を謳ったのも、蛮族の統治する異国に逃れるぐらいなら、
責任を取って自殺する為政者が続発するほどにも、漢代以降の中国人が自国に対する信奉を
磐石化させていったことこそを一つの大きな根拠ともしている。日本の場合であれば、絶海で
大陸と断絶されているために、為政者の責任逃れのための国外逃亡という手立てが先天的に非現実的
であったからために、切腹のような引責自殺もまた多く嗜まれたといえるわけだが、中国の場合は、
大陸国だから国外逃亡ぐらいはさして困難でないにもかかわらず、自国の偉大さを心底慕うあまり、
不手際を犯した場合に引責自殺を選択するものもまた続発したのだから、それが自国文化の突出した
優位性を中国人たちに確信させる根拠となったとしても、むべなることかなと言えなくもない。

そして確かに、引責自殺こそは、透徹して男らしい。女子供には決して手が届くことない、
政治的な大権を我が手に掌握した男たちの、並々ならぬ男気の如実なる発露、それこそは
引責自殺であり、引責自殺にすら臨む男こそは、中原北方を騎馬によって馳せ掛けて、
金品を略奪する匈奴の男などよりも遥かに男らしいから、その男らしさにからなる先導に
よって中国全土の国力を底上げもし、武帝の代以降は匈奴を圧倒するまでになったのだった。

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009 2012/06/24(日) 00:47:48 ID:zlRgW2z1FE
日本史で初の引責切腹は佐々成政です。

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010 2012/07/10(火) 12:16:18 ID:HCoZDfrVdY
介錯の人加藤茶みたいだな。

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011 2012/07/10(火) 20:46:39 ID:aTeLP/SyqI
引責自殺じゃなく強制自殺な。
拒否権の無い自殺命令なんて処刑と変わらん。

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012 2012/07/10(火) 22:24:39 ID:X5/8dHiU0s
自らの喉元や腹に当てている刀を、苦し紛れに周りの人間に振りかざして、
それで迎撃されることだってできなくはないわけだが、その「往生際の悪さ」が
遥か後代に至るまでの、物笑いの種となり続けることもまた、間違いがない。

俺は一体、今までに何人の引責自殺者の悔悟に携わってきたのだろう?

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013 2018/06/24(日) 20:44:43 ID:BWupCxfvSo
誰も責任取らない今の社会よりは、ある意味まとも

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