時の外相 松岡洋右は、国際連盟脱退により孤立の道を選んだ事を 国民から罵声を浴びせられる覚悟をきめていたという
しかし、帰国した松岡を待っていたのは、横浜港に10万人とも言われる群衆からの歓呼の声だった
万雷の拍手と万歳三唱の嵐に、この日より松岡洋右は英雄気取りの大衆迎合男となる
結局、満州事変も中国侵略も 後押ししたのは国民であり 軍部の暴走を止められなかった原因もそれである
マスコミの責任も重大ではあるが、戦意高揚の勇ましい記事を乗せれば 新聞は売れまくった訳であり
戦争を欲したのは 何よりも国民自身である アジア侵略を是認したのも国民自身である
日本が破滅の道を歩んだ根本的な間違いは、そもそも日清戦争で 多額の賠償金をむしり取った事に有る
(当時の国家予算の四倍に相当する巨額であったという) これに味を占めた国民は 勘違いをしてしまう
戦争が国家に利益をもたらすなどと言う「幻想」を根付かせてしまうのである
さらに 本当は辛うじての勝利でしかなかった日露戦争でも、さも余裕で圧勝したかのように国民に誇示し
日本国民に「不敗の皇軍」などと言う自惚れを増長させた事
莫大な戦費に 破たん寸前まで疲弊した経済を 国民に知らしめなかった事も重大な問題
日露戦争の戦費償還はついこの間の2004年に 100年掛けてやっと終わったという事実である
太平洋戦争300万の尊い犠牲を払ってやっと、戦争など何一つ良い事など無いのだという「当たり前の論理」に
日本国民はようやく気が付いたのです。
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