個人的には、縄文人(狩猟民族=東日本に多い)の祭具だと見ている。
(というか、まあ大枠は通説を支持している)
狩猟民族の崇拝対象は何と言ってもすべてを与えてくれる「山」。
これは疑いようがない。現在にも脈々と続く山岳信仰。
神奈備・神体山と言って、富士山や三輪山などを挙げるまでも無く、山自体を神として崇拝する信仰形態は枚挙に暇がない。
山で狩りをする、山で生活するという事は、結局のところその「御山」の加護を得るという事に他ならない。
そして、山は基本的に男神(三輪山の大物主神、大山祇神など)。
その山神を崇拝する、饗する、祈る場合に必要なのは、「女」である事も疑いようがない。
暦の節々、荒天や土砂崩れなどの自然災害が起きた際、狩猟の際など、事ある毎に山神に祈念したに違いなく、その際に使用された祭具であろう。
想像だが、もともとは実際の女を谷に投げ込む・湖に沈めるなどして捧げていたのかもしれないが、次第に代用品が使われるようになったのかも知れない。
その都度毎回女が減っていては集落が滅ぶ。最重要儀式以外は代用品である「女人像」を用いたのではなかろうか。
当然の事だが、「女」である事を明確に示す最も顕著な外見的特徴は「妊娠」だ。
人形であっても明確に女だと示すために妊婦にしたのだろう。
もしくは、「山神様の嫁となり、山神様の子を産むものです」という予祝の意味があったのかもしれない。
発見される数の多さから考えれば、最重要儀式に用いられたというよりは、日常的な狩りの前後に山に捧げたと考えても良いかもしれない。
意図的に破壊して埋めているというのは、ハイヌウェレ型神話で説明出来るのではないだろうか。
実り(山の幸=獣や果実など)多き狩りである事を祈念するという意味では外れてはいないだろう。
スレ画に使用されている猪などは、まさに「猪を得たい」という祭儀に用いられた祭具だろう。
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